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佐々木 匠

保育からみる動物園 No.10

更新日:2023年10月16日

※記事作成日:2018年3月8日


飼育技術学会第28回大会に参加してきました。 テーマは「飼育下動物のトレーニングについて考える」。

2日間を通してトレーニングについて多岐に渡る議論がありましたが、そのうちの1つ、"強化子"(きょうかし)について。 ある行動の頻度を上げる刺激を"強化子"と言い、その強化子の多様性についての議論がありました。

一般的に用いられる強化子は"エサ"だが、"なでる"こともそうだし、グルーパー(魚類の一種)では"砂をかける"・"泡をかける"といったことも強化子になる例を紹介していました。 総合討論の中では"環境変化"や"遊び道具"も強化子になり、特に"遊び"の中から多様な行動がうまれる・行動の変容につなげられるといった考えの重要性を共有できました。


遊びの重要性、これは幼児教育においても同様です。

世界初の幼稚園の創始者であるフレーベルは幼児教育の礎を築いたことで有名ですが、彼は主著「人間の教育」の中で以下のような論説を述べています。


【子どもは、遊びによって自分自身を知り、自分の資質・能力を発展させる。また、遊び相手との生活や愛を感じ、認識し、承認する。このことは、子ども同士や遊び相手の大人の生活を互いに尊重することにつながる。そうして、遊びは、子どもの性格を、優しく、感情深く思考するように導き、礼儀正しく、思慮深くする。 例えば、子どもは、大人がやっていることを自分でもやってみたいと考えて、自分で試みる。そして次第に、自分の力を試してみようとして、物を持ち上げたり、引っ張ったり、運んだり、掘ったり、割ったりする。障害や困難を回避しようとはしない。むしろ進んで困難を求め、克服していく。 子どもは遊びを通して学んでいくのである。】


こんなところでも動物園と保育が結びつく。 保育の視点の面白さ、動物飼育との共通点を感じられた学会となり大変有意義でした。



※フレーベルの論説について 参考URL

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